2019年12月9日月曜日

姿のある声


10日くらい前まで、「なんて暖かいんだ!」
と思っていましたのに、
急に耳が千切れんばかりの寒風が吹きましたね。

体調を崩される方も多いようですので、
皆様もどうぞご自愛くださいませ。

少し前の紙の方の京都新聞の、
詩人でもあり作家でもある小池昌代さんの、
(絶賛”の”が多いですね(笑))
大好きな連載「股旅日記」に書かれていたのですが、

小池昌代さんがある大学にお勤めだった時、
身体に障害を抱えた「A先生」のお話です。

「先生は、いつも大きく肩を揺らしながら、
一生懸命、控室へ入って来る。
印刷機で資料を作成するのが、少し難儀なご様子に見えたので、
お手伝いしようかと、一度、声をかけたが、
大丈夫ですよとおっしゃる。
確かに私がおせっかいだったことがわかって、
以後は慎むようにした。

それでも時々、苦虫をかみつぶしたようなお顔で
天井を睨んでいることもあった。

ある日、A先生が他の先生と楽しそうに
お話しなさっている声が聞こえてきた。

ぞわっとするほど深い声。
井戸を覗き込むような深遠な気持ちになって、
思わず耳を傾けていた。

話しの内容はつかめなかったが、それでまったく構わなかった。
私は内容でなく、先生の「声の姿」とでもいうものに
心うたれていたのだから。

A先生は男性だが、声には人を癒し、包み込む、
暖かい母性が感じられる。
声の源を訪ねていったのなら、そこには暗く澄みきった
真清水がわいているんじゃないか。

だがなんと孤独な声だろう。
相手がいても混ざらない。

ふと、先生の来し方を思った。
声はなにも、魂を映す鏡ではないけれど、
どんな生き方をしたら、
あのような深々とした発声にたどりつくのか。

長く生きて汚れず、気高くひょうひょうと、
そしてやさしく。」

このコラムを読んでいて「A先生」のお声や、
「来し方」に、想いを馳せますと、
しんしんと降り積もってゆく真っ白な雪の
イメージがしたんですね。「声の姿」が。

暗い夜を雪明りで照らしながら、静かに厳かに、
ただただしんしんと降り積もってゆく真っ白な雪。


確かに声に姿を感じることがたまにあって、
最近ではバスケットボールの八村塁くんの声ですね。


似てない似顔絵シリーズの八村塁くんです(///∇//)。
スーツフェチとかじゃ全然ないんですけど、
アルバのスーツ姿、カッコ良かったですよね♪

八村塁くんの声がスポーツニュースで流れてきた時、
新聞を読んでいたのでテレビ画面を見てなかったんですね。

深くて朗々たる声なのに、軽さと爽やかさがあって、
「黒人さんの歌手の方かな?」と思って
テレビ画面に目を向けますと、八村塁くんでした。

幾つもの山や川や草原や密林を越えて来て、
人生半ばを過ぎた、壮年の男性の声だと思っていたので、
ちょっとビックリしました(≧▽≦)。

まだ21歳の青年なんですよね。
「姿のある声」の方なのだなーと思いました。

就職して間もない頃に電話応対の研修で、
「こういった声のトーンでお話をすると、
先方に心地よく感じていただける」とか、
いろいろと教わったことを思い出しました。

頭の骨格が似ていると声も似るのですが、
言葉遣いや言葉選び、発声の仕方、表情などによって
与える印象は全く違うものになるんですよね。

電話越しでも相手の方の表情って、
なんとなくわかりますよね。バレバレです(笑)。

外見と声の印象が全く違う方もたまにいらっしゃって
面白いですよね(*´▽`*)。

A先生のような声の姿にはなれそうにもありませんが(笑)
いつか「姿のある声」になれたらいいなーって思います。
たとえどんな姿であっても(≧▽≦)。

恐ろしいといえば恐ろしいのですが(笑)
結局はどこもかしこも内面が全て映し出されるし、
見る人が見れば、全ては透けて見えるんですよね。

取り繕えば、取り繕っていることも透けて見え、
上辺を装えば、上辺を装ってることも透けて見え。
探ったり疑ったりしてる訳ではなく、
もう見えてしまうんですよね。

声にさえも、魂が現れる。
ひえ~~~!(笑)
逃げも隠れも出来ないってことですよね(≧▽≦)。

どの道、まな板の上の鯉?
違う?(///∇//)





じゅごんろ~どnote

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