2016年3月10日木曜日

映画「ディーパンの闘い」※ネタバレ注意

映画「セッション」は2015年5月に書いたのですが、

京都シネマ(京都市下京区烏丸四条下ル水銀屋町620 COCON烏丸3階)では
特別興行で3月11日まで上映されています。
混雑しているようです。

映画の内容や、ジャズのプロからの酷評もあったせいか?
ネットやメディアに取り上げられる事は少ないようですが、
「良いものは人に伝えたい」という、リアル世界の口コミって
すごい力を持ってますね。

映画記事を書かへん時にも、映画は観に行ってるのですが、
「ヘナチョコやなぁ」という感想しかなかったりもするので、
書いてません(笑)

今回の「ディーパンの闘い」は2月に観に行ったのですが、
考える事が多すぎて、なかなか書けませんでした(●´ω`●)ゞ

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内戦中のスリランカで、希望もなく兵士として闘うディーパン。

内戦で家族を失った女性と少女との3人で
「家族」を装って祖国から脱出します。

脱出先は「内戦のない」「平和」であるはずのフランスはパリ。

闘いから逃れて辿り着いたはずの場所にも、
更なる闘いが待っていました。。。
言葉の壁。習慣の違い。そしてパリの密売組織による暴力。


ディーパン役の俳優さんは、
実際にフランスに亡命したスリランカ内戦の元兵士さん。

映画のオープニングとラストで流れる美しい音楽や歌声と、
ディーパンがパリでの闘いを心に決めた時に歌う、
戦闘意欲を鼓舞する為の野蛮で野卑な歌声との対比が、
とても切なかったです(ノ_-。)

暴力に晒された時、反射的に蘇る兵士の闘志。
家族と自分の、身を守る為の。


難民の問題、移民の問題、様々な問題が次々と浮かび上がり、
翻弄され、傷つけ合いながらも、
本当の「家族」になっていく3人。

目の前に山積みにされた問題は、
時間をかけてぶつかり合いながら、
リアルな人間同士の体温や愛情を感じる事でしか、
解決する方法なんかないのだなぁと思いました。
近道はない。

逆に、問題を共に乗り越えた人達にしか味わえない共同意識や、
深い繋がりによる安心感や満足感もあると思うので、
最終的には「問題があった」という事も、
受け入れて消化されていくのでしょう。

人間同士の深い繋がりでしか埋められないものって、ありますね。

ゾウの、どアップの映像が差し込まれていて、
何もかも見透かしているようで、
哀しみと怒りを湛えたゾウの目も、印象的でした。

いい映画だったと思います(*´▽`*)



離れたくない故郷を追われた人達が、
いつか故郷に戻れる日が来ますように。



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