2018年7月14日土曜日

ARB 踊り子ルシア


また今日もうんざりするような朝陽が昇り
うんざりするような一日が始まる

うんざりするような小さな町で
うんざりするような同じ顔に囲まれながら

あまり口をきかない親父と今日も同じ工場へと
引きずるような足取りで歩く

機械で油まみれになった黒い指で昼めしを詰め込み
その後も何度も何度も
うんざりするような同じ仕事を繰り返す

土曜になればマギーがうちにやって来る
マギーはいい子さ
そばかすだらけの顔も腹からはみ出た肉も

俺の顔色を窺う仕草に時に苛立つが
それもまぁ可愛いもんさ

うんざりする町に似合いの俺たちだ
そう思っていた

この町に
うんざりするこの町に

真っ赤なバラが やって来るまでは



彼女の名前はルシア

白く透き通るような肌に
光り輝くような黒い瞳と黒い髪

長い手脚を持て余すように
見せつけるように ゆっくりと歩く

その夜から 寂れた町の寂れた小屋が
天国に変わっちまったのさ

ルシアの踊りに どいつもこいつも釘付けで
トニーもビリーも「ルシアが俺を見ていた」と言い張るが
そんなことがあるもんか

ルシアの黒い瞳は
間違いなく俺に注がれていたさ

土曜も日曜もマギーはうちに来たが会う気にもなれず
親父までもがおふくろの小言さえ耳に入らない様子で
うわの空さ

うんざりするような町も人も
生まれ変わっちまったのさ



だけど時は止められない
ルシアとも別れの時はやって来た
今度の土曜の夜が最後のダンス

次の町へと旅立つルシア

今夜だけでいい
月の下で いつもの踊りを
いつもの笑顔を
俺だけに

プリーズ ダンス フォーミー
プリーズ スマイル フォーミー

今夜だけでいい 今夜だけで
俺だけに

うんざりする毎日に戻っちまう前に
おまえの事を思い出せるように

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最近、男の子が切実に女性を求める気持ちを聞く機会が
何度か続いて、

ARBの「踊り子ルシア」が
ここ数週間、頭の中でずーっと流れていました。

歌詞から妄想が止まらなくて(笑)
書きました(●´ω`●)ゞ

娯楽の無い田舎町に住む青年が
淡々と生きながらも
覇気のない毎日にうんざりしていた心に
咲いた一輪の赤いバラ。

女性からしてみれば荒っぽい感情かもしれないけれど、
そこには「純粋な欲望」とも呼べる切実さを感じました。

赤いバラを愛でる術も、大切にする術も知らない。
だけど愛したいし大切にしたいという切実な欲望。

純粋だなーと思いましたよ。

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